Shadow - 影 -

(あなたが無防備なのは影だけ)








たったったっと神田の後ろから足音が聞こえた。だと分かった神田はあえて振りむかなかった。
たったったっ。足音がさっきよりも大きくなりが近づいてきた。

「影踏んだ!」

いきなり後ろで声がして振り向いた神田。振り向いた神田の影を踏んで自慢げな顔をしている。


「ユウ、影踏みしよ?」

「しねぇ」

「何で?ユウも昔はやったでしょ?」

「やってねぇ」

「じゃあ知らないの?」

「知ってる」

「じゃあやろうよ」

「断る」


そんなを言い合いをしながら歩いていた。


「さっき私がユウの影踏んだからユウが鬼ね」

「何でやること前提で成り立ってんだよ」

「しょうがないなぁ。私が鬼でいいよ。さあ10秒数えるうちに逃げて」


いーち、にー、さーん、と幼稚な声で数を数えるを神田は無視して歩いていく。


「ユウ酷いなぁ。しょうがないまた今度ね」

マイペースな奴だなどと言えばは怒るだろうか?


「あっ!それからついさっきから私はユウの影になったから」

にっこり笑っては言う。


「…影?何でだよ」

「だってさっきユウの影踏んだじゃない」

「それで何でお前が俺の影になるんだよ」

「影を踏んだ人はその人の影になって、影を踏まれた人は影になった人の恋人になるの」

「そんなルール知らねぇ」

「私のルールだもん」

「お前は影になって何するんだ?」

「誰にもユウの影を踏ませないようにするの。踏まれたらその人が影になっちゃうからね」


真剣な顔で言ってくるのでバカとは言えなくなってしまった。


「ユウは私が守るの。でもユウは私の恋人だから私を守るのよ」


自分勝手な奴だと思ったが別に嫌でもなかったし元々そのつもりだったので神田は何も言わなかった。


「だからユウはこれからもずっと私の恋人でいてね」


が抱きついてくる。神田はの小さな背中に腕を回した。





あなたの後ろは私が守ります
あなたは私を守ってください