葉舟




- 01 -






「半年間ご苦労様。早く帰ってきな。神田君も喜ぶよ」

「ユウには言わないで。驚かせたいから」

「何だか面白そうだなぁ。分かった神田君には言わないよ。じゃあ帰ってくるの楽しみにしてるよ」

「ええ。なるべく早く帰れるようにするわ」

「気をつけてね。みんな待ってるから」


じゃあと言って電話を切った。溜め息をひとつして荷物をまとめた。

久しぶりに貴方に会える。みんなにも会いたいけどやはり最初はユウに飛びつきたい。


「半年ぶりだもんね。元気かな。傷ふえてないかな」


色々心配しながら荷造りした。なるべく急いで。でも忘れ物はないように。

トランクを片手に駅へと向かった。風は優しく髪を撫で、太陽は燦々と照りつける。

風も太陽も一緒に喜んでいるみたいに。



「リナリー。が帰ってくるよ」

「いつ帰ってくるのっ?」

「さっきはまだ現地だったから2、3日はかかるんじゃないかな」

「久しぶりにに会えるのね!楽しみ」

「あとこのこと神田君には内緒だよ」

「何故?」

が神田君には言わないでって。驚かせたいそうだよ」

「神田の驚く顔も楽しみね」








clap


(2007/2/14)