葉舟
- 05 - 「あ、危なかった…」 久しぶりの飛び乗り乗車でオドオドしていたら神田に横抱きされて飛び降りてしまった。 まぁ突き落とされるよりはマシか、と思いは密かに涙を拭った。 汽車の中ではアレンの質問を神田が面倒ながら説明していた。 はまだ疲れが取れてないからと言い目的地に着くまで寝る事にした。 初めは壁に寄りかかっていたが徐々に隣に座っていた神田の方に傾いてしまった。 (さんには本当に優しいんですね神田は) が寄りかかっても何も言わない神田を見てアレンは声に出さずそう思った。 ○ 「アクマがいるわ…恐らくレベル2の」 「…厄介だな」 神田がアレンに忠告をしている間にはイノセンスを発動していた。 凄まじい爆音とともにたくさんのアクマが姿を現した。 それを見てアレンが飛び出していく。 「。お前は俺の傍を離れるな」 「守ってくれるのは嬉しいけど…もう守られるだけなのは嫌なのよ」 そう言ってはアレンが飛び出していった方へ走っていった。 神田は舌打ちをして六幻を抜刀しアクマの方へ走り出した。 がアクマを倒している間に神田はファインダーへと近づき結界の解除コードを聞いた。 「ユウ!私はどっちについていけばいい?」 「俺とこい!」 は神田と一緒に先へ進んだ。 「地下通路?こんなところに地下通路があるの?」 神田は人形の方を、は女の子の方を連れて走っていた。 ジリリリリンと音を立てて神田の無線ゴーレムが飛び出してきた。 「トマか。そっちはどうなった?」 トマが簡潔に状況を説明してくれる。アレンの安否は分からないらしい。 「…ユウ。私やっぱりアレンが心配だから探してくる」 「っおい!!」 は狭い通路を進んでいった。 「アレン!いたら返事して!」 大声を出して走っていく。通路を何度も曲がった。 「もうユウと合流したのかも」 立ちどまって周りを探すが人影は見当たらない。 「やっぱり戻ろ…」 が来た方から“ドン”と大きく鈍い音がした。 は来た道を全速力で駆けていった。 |
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